人ごとではないウィルス被害
ある日のパソコン相談です。CさんとAの会話を含めてご紹介します。
A「どのようなご相談でしょうか。」
C「最近マンションに光というものが入ってインターネットを切り替えました。間もなく管理者から異常なアクセスをしていて早急にパソコンを初期化するように連絡を受けました。パソコンは数年前に購入したものです。」
A「ウィルス対策ソフトは何をお使いですか。」
C「何も入れていません。」
いやな予感です。
A「セキュリティ対策ソフトを入れて最新の状態にしていないパソコンをインターネットにつないではいけません。被害者になるだけでなく、知らないうちに加害者に加担させられています。そのまま使い続けるとなんらかの責任を問われることもないとは言えません。」
ちょっとご機嫌が悪くなりました。仕方がありません。
持ち込まれたパソコンはインターネットに接続しないで電源を入れておきます。別のパソコンでサイバークリーンセンターのページを開き、ボット駆除ツール「CCCクリーナー」の最新版を入手します。USBメモリーに入れて問題のパソコンに差し込み、「CCCクリーナー」を実行します。ほどなくボット感染の状況が確認されました。
持ち込まれたパソコンは長年使ってきたためさまざまなデータや、出所がはっきりしないソフトなどもたくさん入っています。各種の設定もされているようで、それぞれのパスワードなどをしっかり管理しているか定かではありません。相談の範囲を超えていると判断し、専門の業者に持ち込むように助言してパソコン相談を終わりにしました。
ボットはパソコンの所有者が気付かないうちに侵入してウィルスをばらまく一方で、どこにいるかわからない犯人の意のままにパソコンの能力の一部が利用されます。パソコン内部の個人情報を盗んだり、迷惑メールを送信したり、政府機関や企業のシステムを攻撃したりと、さまざまな反社会的な活動の道具になってしまいます。ある種の恐喝事件も報道されています。
日本では100台に1台程度が感染しているとみられています。自分はだいじょうぶと過信しないことが求められているのではないでしょうか。
・・・うっかり忘れるところでした。
このとき使ったUSBメモリーがあらたな感染源にならないようにウィルス対策のしてあるパソコンで初期化しました。一度、感染すると後始末は何かと手間がかかります。ネットを利用するためにOSのアップデートとウィルス対策ソフトは大人の義務として実践しましょう。